戦略検証の全体の流れは次の3ステップです。得られた分析・検証結果からフィードバックを繰り返し、戦略をブラッシュアップしてください。

  1. 1⃣ 戦略ルールの設定
    戦略を決めて、エクセルブックに売買ルールを設定します。
  2. 2⃣ 分析用データ作成
    ルールで使用するテクニカル指標等のデータを作成します。
  3. 3⃣ 戦略の分析・検証
    作成したデータに設定したルールを適用して分析・検証します。

それでは、各項目の細部要領を説明します。

目次

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戦略ルールの設定手順

最初に戦略ルールを作成します。設定には次のファイルを使用します。

  • ASTAT.xlsx

売買ルールの決定

設定する売買ルールは、オートレ戦略ショップ等から入手するか独自(オリジナル)で作成します。

  • ■戦略ショップ等から入手

オートレ戦略ショップ等から入手(購入等)する場合は、ロジックが公開されているものを選んでください。更に戦略ショップ以外から入手する場合は、移動平均、MACD等のテクニカル指標や時間足が、オートレ225に対応しているかも確認してください。そうでないとルール設定も自動売買もできません。

  • ■オリジナルで作成

オリジナルで作成する方法は別に説明します。

戦略ブックの設定

戦略が決まったらExcelブックにルールを設定します。

  • ■戦略ブックの作成

Excelブック ASTAT.xlsxをコピーしてから使用してください。コピーしたファイルの名前を戦略名に変更します。戦略名は何でも構わないので、自分でわかりやすい名前にしてください。このルールを設定するExcelファイルを【戦略ブック】と呼ぶことにします。

  • ■戦略ブックのシート構成・記入例

戦略ブックは4つのシートからなり、それぞれのシートはオートレ225「注文予約設定-取引種類」の新規買い、新規売り、返済買い、返済売りに相当します。なお、銘柄名は「日経225先物(ミニ)」に、数量は「1枚」に固定されているので、これらの設定項目はありません。

取引種類

以下は、それぞれのシートへの記入例です。

新規買い
新規売り
返済買い
返済売り
  • ■戦略ブックへルール入力

シートの白いセルにルールを入力していきます。設定しないところは空白のままにしておいてください。

1・2行目は、よく使う項目を簡単に設定できるようにしました。

・新規では、損切と利確の注文を設定できます。価格を数字で入力してください。

・返済では、寄りと引けの返済を設定できます。日中寄り、夜間引けのように入力してください。単に寄り、引けとした場合は、日中・夜間ともに返済します。

3行目以降には、上記以外の通常の注文予約を設定します。
最初の行(記入例では4行目)は「注文予約名」と「時刻条件」で、オートレの設定画面ではこちらの部分です。時刻条件は、「詳細な設定を見る」にすると表示されます。

注文予約名と時刻条件

次の行(記入例では5行目)以降には、条件を入力します。1行毎に、「条件1」、「条件2」…となります。 オートレの設定画面ではこちらの部分です。 なお、ASTAT現バージョンでは、発注条件は「条件なし」に、発注価格は「成行」に固定されています。

条件、発注条件、発注価格

上図の黄(~が)と青(~の)の部分を、ASTATの戦略ブックでは略号(次項参照)を使用して入力します。注文予約が複数ある場合は、そのまま下の行に書き足してください。これで戦略ブックは完成です。

条件入力要領

  • ■当日価格関連
    オートレと同じように記入してください。
    なお、1分前の日中場からの高・安値、制限上・下限値には未対応です。
    また、現在値は指値と逆指値の両方に設定すると誤差が生じることがあります。
  • ■時刻関連
    オートレと同じように記入してください。
    なお、各分足の確定時刻には未対応です。
  • ■建て後価格関連
    オートレと同じように記入してください。
  • ■建て後損益
    損切・利確は別に用意しているので、そちらをご利用ください。
  • ■テクニカル指標等
    四本値とテクニカル指標は、本数や時間足のバリエーションが多いので、略号を使用して入力するようにしています。略号の詳細は次で説明します。

条件入力用の略号

条件入力用の略号は、指標等名、足の本数・種類の3つを組み合わせます。
記入例:2日前の5日移動平均 → 5SMA.2(TD)
指標等名の略号は次のとおりです。漢字とσ(シグマ)以外は全て半角にしてください。

指標等名略号指標等名略号
四本値 > 始値始値9日(本)間のRSI9RSI
四本値 > 高値高値14日(本)間のRSI14RSI
四本値 > 安値安値42日(本)間のRSI42RSI
四本値 > 終値終値ボリンジャーバンド+2σ2σ+
5日(本)移動平均5SMAボリンジャーバンド-2σ2σ-
25日(本)移動平均25SMAストキャスティクス>%k%k
75日(本)移動平均75SMA ストキャスティクス>%d%d
100日(本)移動平均100SMA ストキャスティクス>Slow%dSlow%d
150日(本)移動平均150SMADMI > +DIDI+
200日移動平均200SMADMI > -DIDI-
MACDMACDDMI > ADXADX
MACD > シグナルSgnl
指標等名の略号

足の本数・種類の略号は次のとおりです。

足の本数略号足の種類略号
日足 > 前日.1取引日足(TD)
日足 > 2日前.2営業日足(BD)
日足 > 3日前.35分足(05)
日足 > 4日前.410分足(10)
分足 > 直近.115分足(15)
分足 > 1本前.220分足(20)
分足 > 2本前.330分足(30)
分足 > 3本前.460分足(60)
足の本数・種類の略号

分析用データ作成手順

戦略ブックが完成したら、分析用データを作成します。データ作成には次の最大4つのファイルを使用します。

  • 1DataDownload(225labo.ini)
  • 2ConvertTime
  • 3AddIndex
  • 4MergeFiles

四本値データのダウンロード

四本値は、225Labo からダウンロードします。アカウントは無料で作成できるのでメンバー登録してください。登録が済んだら、「225labo.ini」の1行目にユーザー名、2行目にパスワードを設定します。これで準備は完了です。

1DataDownload を実行して、所望の年を入力すれば自動的に日経225の四本値がダウロードされます。なお、日足の四本値は、過去の分も含めて全て今年分に入っています。

取引時間を実際の時間に変換

データをダウンロードしたら、時間を取引日から実際の日付に変換します。取引日とは前日の夜間寄り16:30から始まるという、とてもややこしい時間で、日中の引け(15:15)をどうしてもその日の終わりにしたかったという理由で設定されたものです。

2ConvertTime を実行して、所望の足を選択すれば自動的に取引日が実際の日付に変換されます。なお、この変換後のデータは、FXで定番のMT4にもインポートできる形式になっているので、別に説明するチャート解析にも役立ててください。

四本値・テクニカル指標の生成

時間を変換したら四本値やテクニカル指標を生成して追加していきます。テクニカル指標は、オートレ225で使用するもの全てに対応しています。

3AddIndex を実行して、所望の足と検証する戦略に使用するものを選択すれば、自動的に指標等を生成してファイルにデータを追加します。なお、複数の時間足を使用する場合も、一つずつ作成していってください。

複数足のデータファイルを結合

戦略で使用する足の種類が複数の場合は、個別に作成した後にそれぞれのファイルを結合します。

4MergeFiles を実行して、所望のファイルを2つ選択すれば、自動的にファイルが結合されます。なお、3つ以上の場合も、2つずつ順番に結合してください。

戦略の分析・検証手順

戦略ブックと分析用データが完成したら、最後は戦略テストです。分析検証テストには、次のファイルとここまでに準備したファイルを使用します。

  • 5ASTAT

戦略の分析・検証テスト

戦略ブックに設定されたルールに基づき、分析用データを使用して、分析・検証します。

5ASTAT225 を実行して、データファイル、戦略ブック、売買区分を選択すれば、自動的に分析・検証します。なお、ファイルが単数の場合は、選択画面の表示は省略されます。

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  • harushi